This is Love-きっとここから愛なんだ-

社会人ジャニヲタの備忘録

二十日鼠と人間

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千秋楽も済んだことですし、ネタバレ込の観劇感想ブログを書きます。

 

●感想とかをつらつらと

先月グローブ座にて、『二十日鼠と人間』観劇してきました。

健くんの舞台は『滝沢歌舞伎』しか見た事がなかったので、とても新鮮だったというのと、見終わったあとに考えさせられる演目でした。

 

今回は1公演のみの観劇だったので、原作本を先に読んでから観劇したのですが、原作の素敵な雰囲気が劇場に広がっていて、とても良かったです。

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舞台は世界恐慌時代(1929年前後)のカリフォルニアなので、前回の坂本くんの舞台「君が人生の時」の10年くらい前。

「とても考えさせられる作品だな」とは、原作を読んだ時に思ったのですが、「自分がジョージの立場だったらどうするだろうか」というのはとても思いました。最後の彼の行動が正しかったのかそうじゃないのか、そんな簡単に答えが出る話では無いなぁと。

 

健くん演じるジョージの涙が本当に綺麗で、この2人はこの時代じゃなかったらもっと幸せに暮らせたんじゃないだろうかと思ってしまう。でも逆に、あの時代だったから、2人の仲はこれほど深いものになったんだよなぁとも思うわけで。

 

犬と人間で差別されるものなの?老いぼれ犬でも命あるものなのだから、寿命まで生きさせてあげるべきだったんじゃないの??レニーも他に方法はなかったの?と思ってしまうのだ。

でも当時は、誰もが他人のことなんて考える心の余裕なんてなかっただろうし。分かっているけど、そこがとてももどかしい。

 

最後、ジョージがレニーに2人の夢の話をするシーンが本当に胸が痛くて。自分の泣いてる顔を見せないように、そして、自分が撃とうとしてることを気づかれないように気づかれないようにっていうジョージの気持ちを考えると本当に胸が痛くて。レニーにとってジョージは本当に心を許した友だったし、ジョージにとってのレニーも同じだったんだと思うんですよね。

 

人を殺めてしまうことは良くないことたけど、復讐とかじゃない、このやり場のない気持ちはどうしたらいいんだろうか。

最近、介護疲れからくる老人虐待とか、育児疲れからくる児童虐待とか、ニュースでよく見かける。今の時代ですら、そうやってやり場のない思いをどうすることもできずにいる人がいて、当時の彼らと同じように悩み苦しんでいる人って世界にはたくさんいるんだよなあと。そんな彼らを助ける制度がなかった舞台の時代だと、尚更問題は深刻だったと考えてしまう。

 

今はいろんな立場と人が守られる制度があって、いろんな人と共存して生きる世界になっていて。ジョージやレニーのような人の叶わなかった願いや思いや願いや夢が少しでも叶っている世の中になっていればいいなぁと思う。「自分が何かできるかな?」なんて、大それたことは考えられないけれど。

 

生きることが辛い時代。今ももしかしたらそうなのかもしれない。景気が悪くて、仕事がない人が多くて、過酷な労働環境がもんだいになっていて。でも、そんな中でひっそりと何か幸せを探して、夢を描いて生きることすら難しくなったら、私はどうするだろう。そんなことを考えた。

 

 

●演劇と私

私は演劇を見たあとに考えることが好きだ。

私は演出家でも脚本家でもないけど、映画を見たり、本を読んだりした後に、いろんな人と同じ題材について議論を交わす時間はとても至福の一時なのだ。

特にここ数年は観劇した後に考える作品が多くて、自分の考える引き出しが増えてきているのが嬉しい。

 

演劇って敷居が高いし、価格も安くはないし、正直大人の趣味だと思う。

それこそ高校生くらいまでは「好きな人が出てるから。」「好きな話だから。」っていうのが大きな理由で映画も舞台も見てたけど、大人になって色々なことを経験したからこそ、こうやって考える機会を与えてくれる演劇は、今の私にとってはなくてはならない娯楽の一つになっている。

 

次の舞台はTOPHATなので、ミュージカルの楽しさを存分に味わいたい。芸術の秋最高( *˙꒳˙ *)୨୧⑅*

 

グッズのアクスタが可愛すぎて買いました。かっこいい方の健くん。