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社会人ジャニヲタの備忘録

君が人生の時 観劇日記+レポ

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坂本くん主演の舞台「君が人生の時」千穐楽おめでとうございます!

今回は、6/13(ぴあ枠)、6/24(e+枠)、6/26(FC枠)、7/1(ぴあ枠 リセール)の4回観劇してきました。引きの良い自名義に感謝。

 

・はじめに

時代背景とか、ストーリー的にも少し難しいかなぁ。と思い、今回は原作もあることだし「ウィリアム・サローヤン戯曲集 」の中に入っている「君が人生の時」ウィリアム・サローヤン著、加藤道夫訳 早川書房(写真上)を読んでから観劇に挑みました。(ただの文学ヲタ)

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 中央公論社からも出版されていますが(写真下)、版がだいぶ古いのと、旧字での記載が多く書体も読みづらいので、早川書房の方が読みやすいかもしれません。どちらにせよ廃版なので、公共図書館か古本屋さんでしかお目にかかれないと思います。(机が汚いのは目を瞑って下さい←)

 

 ・作品の個人的な解釈と感想

(セリフはニュアンス)

個人的にとても好きなのは、ジョーが、クラップとマッカーシーに言う「俺はみんなの味方だ!1人1人順番にな!」っていうセリフと、メアリーに言う「文化的な生活を心がけているんです。それは、つまり他人の生活を決して傷つけないような生き方を。」ってセリフ。

 

ジョーは、色んなことに敬意を払って生きてる。過去にとても辛い出来事があったからなのか、考えて生きることに疲れたのか。ジョーはあのニックの店のあの席から動くことは本当に少ない。けど、誰とでもシャンパンを飲むし、誰の話でも聞く、そして手元にあるお金を自分のためだけじゃなくて、人のためにも使う。

でも、そのお金は誰かによってジョーの元に届くわけで、彼もまた誰かに生かされてるんだなぁって思ったり。

 

そんなジョーは感情を表に出すのが得意ではない。作品の中で自分の感情を優先して嫌悪感を大きく出すのは、ブリックと、社交界の紳士ぐらいだ。あの2人の共通点は恐らく"お偉いさん"だということ。恐らく彼の「お金に対する嫌悪感」が物凄くあるんだと思う。恐らく、ジョーは自分のことが嫌いなんだろう。

 

個人的に、木場勝己さん演じる、キット・カーソンがとても好き。彼の話は嘘なのかもしれないし、本当なのかもしれない。でも、彼の話す武勇伝は人を惹きつける何かがあると思う。(居酒屋であんなおじいちゃんが話してたら、私めっちゃ聴いちゃうし、多分まるっと信じてしまうきがする←)

でも、彼の話を信じてくれる人はいなく、彼の話を信じると言ってくれたのはジョーだけだった。ジョー自身も本当は嘘だと思っているのかもしれない、でも、彼の話を信じてあげることが、彼への敬意だと思ってるんだろうなぁ。

 

 キティー・デュバルに対しても同じだ、彼女が「バーレスクのスターだった」と言えば、きっとそうなんだろう。ジョーの中ではそれが本当かどうかなんてあまり関係ない。

助けて貰ったお礼に足が悪いジョーの使いっ走りをするトムに対しても、彼が本当に困っている時、ジョーがトムを助けるために使いっ走りをする。

本当に、あの酒場にいる人、全ての人に敬意を払いるんだなぁと。

 

「祖国に誇りを持ち、みんな違ってみんなそれぞれで生きている、それでいいんじゃないか?」っていうのが、民主主義国家アメリカ国民の理想の姿であり、現実とは程遠い部分だったんだろうなぁと。

結局、そんな理想を持つ国民も、法と秩序は絶対であり、人種による差別、仕事による差別に苛立ちを持つし、警察に歯向かえばやられてしまう。

警察官のクラップが言う「みんな狂っているんだ。」って言うのがとても響いた。誰もが平和な暮らしを求め、争いなんてしたくないはずなのに、なぜ世の中は争いで溢れかえっているのか。

ニックが言う「俺たちが気が狂う理由の一つはそれだよ。今やってる仕事は誰もが仕方なくやっているもので、生きるためには嫌な仕事でもなんでもやらなくてはいけないんだよ」。どの時代も同じなんだなぁと。今の仕事好きだけど、働かなくて大金が手に入るならそうしたいもの。

 

 

怒りを滅多に表に出さないジョーが、人のことで怒り、拳銃まで取り出したのは、「トムとキティの為になら何でもしたい」という彼の心境の変化なのか。
だって、最後のブリックを撃つシーン。あの拳銃に弾は込めてない。キット・カーソンに拳銃の使い方話を教えてもらった後に弾を取り出すシーンがある。その後に弾を入れた演技はない。つまり、とっさの行動だっのではないかなぁと。「俺はいつか誰かを殺したいと思っていた、だが、俺は誰を殺したらいいかが分からなかった」って言うけど、この酒場の皆のためなら人を殺してもいいという気持ちになったということか。

 

ジョオは何者なんだろ。足を怪我してるのは以前の戦場での怪我か、もっと前か。「世の中がこういう状態である限り俺は金に困らない」って言ってたし、戦争に関わってるのか(6連発銃には詳しくないけど)、顔は広そう。裏社会で生きてるとか?(銃には詳しくないけど)本当に謎が多い人物だ。

 

君が人生の時。つまりは、「誰もが自分の人生の中では自分が主役である」っていう解釈を私はしていたんだけど、きっと、それぞれの人が主役の人生に、周りの人がとやかく言うのは違う、「自分が思ったように生き、いろんな人と出会い話をして、また違う生き方になれば、それはそれで貴方の人生だ」っていう感じなのかなぁと。「主役は自分だけど、周りも脇役な訳ではなく、それぞれの目線で見たら主役」というか。

 人の生き方は否定出来ないし、それを含めて相手の人生なんだなってのを考えさせられる舞台でした。

 

 ・観劇レポ(坂本くんメイン)

初日:セリフを少し噛んだ坂本くん。舞台の流れを追うことに必死だった私。(あまり記憶が無い)

 

24日:ハリーが舞台を壊し、アドリブ祭になる。でも、あの場でキティーとジョーが笑わないのはほんと凄かった。会場大爆笑だったもん。。

この日は唯一の上手側だったので、坂本さんの横顔を拝み続けることになり、心臓が飛び出るかと思いました。(横顔好き)

 

 26日:実質前から2列目だったので細かいセットまで見れました。ニックの右腕にバラ(多分)の刺青が入ってて、スペイン系なのかなぁっておもったり。お母さんとの会話もラテン語だったし(「モッツァレラ!」って言ってたから絶対本当のラテン語じゃない気がするけど!笑)

あとは、前の席だったから扉の向こう側も少し見えて、外でもちゃんとお芝居が行われてて、とても臨場感あった!

下手側だったのでやたら坂本さんと目が合う(錯覚)

 

1日:ジョオの椅子にもクッションがついた?いつから付いてたんだろあれ。お客さんの反応が大きかった気がする。笑ったりする声も。観客も男の人が多かったのかな。今日の舞台私は最後だったので全体を見てみた。ウィリーがゲームに向き合う姿がとても面白かった。重心の位置を工夫したり、弱く打ってみたり、強く打ってみたり。一人黙々とゲームに挑戦し続けてるの。すごいよあれ。

あとは、トムがガムを柱に叩きつけて、その後サムがそのガムを取り、ニックがトムを新聞でぶん殴るって流れまでちゃんと見届けたので満足←

そして、下手側だから目が(以下略)

 

・劇中の曲

「When Irish Eyes are Smiling(アイルランドの瞳が微笑む時)」新聞売りの少年が美しいテノールを披露した時の曲。

「My Country'Tis of thee(アメリカ愛国歌の一つ) 」ウィリーがニックの店のゲームに勝った時に流れた曲。(我が祖国、汝が為に、美しい自由の国よ、汝がために我は歌わん)

「Let The Lower Lihgts Be Burning」ジョオがたまに頼んで聖歌隊に歌わせた賛美歌。(船べりに灯火燃やし、波の面に光送らん)

「Missouri Waltz(ミゾリーワルツ)」劇中で一番流れるジョーが好きなワルツ。蓄音機の7番の曲。

 YouTubeでも聴けるので、気分を味わいたい方は是非に。

 

(タイトルわからないやつ)

メアリーとジョーが話してる場面で色男が蓄音機でかけた曲。(おそらくユーフォニアム独奏曲、ピアノ伴奏)

ブリックがキティーを踊らせた蓄音機の曲。(某夢の国の入口で流れてそうな曲)

曲名発掘したら更新します←

 

・ミュージカルもいいけど、ストレートプレイも良いよね♡

歌って踊るミュージカルも大好きだし、まだまだやってほしい作品沢山あるんだけど、こういうストレートプレイのお芝居もとても良いなぁって感じなので、是非こういう舞台の仕事も沢山して欲しい(。•ᴗ•。)♡

坂本くん、舞台のお仕事大好きなんだろうなーってのが伝わってくるから、いつかの雑誌にも書いてたけど、本当に天職だと思うんだよなぁ。アイドルの坂本くんも大好きだけど、舞台俳優としての坂本昌行も大好きなんだよーーー。

 

ありがたい事に、ライブツアーも参加できるので、次はアイドルの坂本くんを堪能したいと思います( 'ω')و ̑

「私を酒場に連れてって」か、「私の名前を当てて!+自分の頭文字」の団扇を作ろうか本気で悩み始めたから末期だな。( )

 

サローヤンの作品、原作も気になる方は是非に(*˙˘˙*)❥❥